ご機嫌


こんにちは。学生講師の畑田大毅です。今日は先日大学の講義で聞いた話について書いてみます。

私は大学でヨット部に所属しているのですが、この講義をしていただいたのがヨットの部のOBであり、数々の武勇伝をヨット部に残している坪田一男先生でした。坪田先生は学生時代に夏はヨット部、冬はスキー部として活動しており、どちらも過酷な部活であるにもかかわらず、いずれの部においてもキャプテンを務めていた切れ者です。また、部に借金をして400万円のマイヨットを購入して返済せずにご卒業なさったり、海外の医学生と交流するプログラムを学生時代に創設したりなど、破天荒なエピソードがたくさん出てくるこの先生の講義ということで、私はとても興味を持って授業に臨みました。講義テーマは「ご機嫌とイノベーション」。坪田先生は慶應義塾大学医学部眼科学教室の教授を務めていらっしゃるのですが、その一方で発明家(?)でもあります。実はJINSから発売されている「JINS Moisture」というドライアイ、花粉症用の眼鏡を開発したのはこの人なのです。坪田先生は医者になって間もない30歳の頃、ドライアイ(なんと乾燥性角結膜炎という病気に対してドライアイという言葉を日本で初めて使い、流行らせたのも坪田先生!)に罹患され、裸眼より眼鏡をかけた方が、ただ眼鏡をかけるよりその周りを手で覆っている方が目が楽だということにお気づきになったと言います。これを応用して20年越しに完成されたのが「JINS Moisture」です。視力を補正するメガネにおいて起きたイノベーションと言えるでしょう。坪田先生はご機嫌な人と不機嫌な人のどちらがイノベーションを起こしやすいかと私たちに問いかけました。また、どちらが視野が広いか、想像力が豊かかと。社会科学系の研究で、幸福度の度合いと、年収や疾病の罹患率を追跡調査した論文が出ており、幸福度が高いほど年収が高く罹患率も低いことが分かっているともおっしゃいました。ドライアイにかかった坪田先生がネガティブになり、目が楽になる簡単な方法を色々試していなかったら、上で述べたようなイノベーションも起きていません。少し飛躍はありますが、イノベーションの源は「ご機嫌」なのではないかという主張でした。発明がうまくいったからご機嫌なのではなく、ご機嫌だから広い視野からいろいろな発想が浮かび良い発明ができるというのです。ご機嫌な人の周りにはご機嫌な人が集まり好循環が出来上がります。私は感心し、もし変革には繋がらなくともご機嫌に過ごすに越したことはないと思い、ご機嫌を取り入れようと思いました。皆さんもご機嫌に過ごして辺りを広く見渡せる人を目指してみてはいかがでしょうか。