新年度を迎えて思うこと


こんにちは!文系学生講師のKです。ちょっと国語講師っぽい話をしようと思います。
ついに4月をむかえ生徒の皆さんもちょうど授業が始まったころですね。新しい環境にはなじめましたか?今年は桜の開花がとても早くて、僕も4月が始まって花見でも行くかと思って外に出てみると既に葉桜になってしまっていました…。皆さんはきれいな桜をみることはできましたか?
日本で桜が多くの和歌や歌に使われて、人々に愛されているのは、1つは日本文化の象徴として代々受け継がれてきたという歴史があると思いますが、やはり新年度に咲く花だというのが大きいかなと思います。
毎年同じように咲いて同じように散っていく桜ですが、それを見る僕たちが感じるものは毎年少しずつ変化していくように思います。自分の話になりますが、例えば僕が上京して大学入学時に見た桜は、これから始まる東京での新しい生活に、とにかくわくわくしていた僕にとっては、まさに希望の象徴ともいえる存在でした。満開の桜をひたすら写真に収めていたのを覚えています。
毎年そういった思いで桜を眺めていたいものですが、そういうわけにもいきません。大学4年生になって就職活動や勉強に追われる春休みは、なかなかゆったり桜を眺める余裕もありませんでした。しかし疲れて帰路につく途中や慌てて移動している途中にふと何気なく美しい景色を目にすることがありました。急いでいるときでもふと立ち止まって桜を眺めてしまいましたね。なにか焦って無理をしている自分を落ち着かせ、心に余裕を与えてくれるような感じがしました。
このように毎年同じように桜を見ていても、それを見ている自分の心情は毎年違っていて、それをたどっていくと自分のこれまでの人生や、新生活に抱いたわくわくを思い出すことができていいかなと思います。昔考えていたことや、新生活をむかえて抱いた志も、日々生活していると意外とすぐ忘れてしまいますからね。僕が今年桜を見るたびに聴いていたのがコブクロの「桜」という曲なのですが、その曲の中にとても好きなフレーズがあります。

「人はみな心の岸辺に手放したくない花がある それはたくましい花じゃなく儚く揺れる一輪花 花びらの数と同じだけ 生きていく強さを感じる 嵐吹く風に打たれても やまない雨は無いはずと」

さて、みなさんはどんな思いで今年の桜を見ましたか。そして来年桜をどんな思いで見ていたいですか?4月から始まった新しい一年間が、素敵なものになることを願っています。