経済について語る。


こんにちは!学生講師の藤井です。

私は経済学部の学生で、経済の歴史を勉強するのがメインの勉強です。

今、経済系の学部の人気は高いです。受験生の皆さんの中にも経済学部に行きたい!という人は多いかもしれませんね。
でも「経済学って何?」と聞かれるとわからない人が多いのではないでしょうか。中学・高校でも公民や政治・経済と主要科目から外れてしまっていますし、ニュースで言っていることはわからないという人も多いのでは?
そんな人のためにあまり細かいことを言わずに説明しましょう。

経済学は「世の中で『価値≒お金』が生まれる仕組みを研究する」学問で、「価値が生まれる仕組みを使って社会をより『豊か』にする」ことが目的です。
豊かといっても、ある程度お金を持っている人がよりもらえるようにする方向もあれば、貧困に苦しむ人を救う方向などもあり、様々です。でもそれを含めて全部経済学の扱うものです。

そもそも「経済」という言葉の意味を知っていますか?案外知らない人が多いのですが、これは福沢諭吉(慶應義塾大学の創始者)がeconomyという語に当てた訳語言葉です。(もちろん諸説ありますが…。)
経済は「経世済民」の省略です。「経世済民」とは「世を治め民を救う」という意味です。福沢諭吉の生きていた江戸時代末期から明治は激動の時代です。ペリーの黒船来航のように、欧米からの脅威に晒されながら、西洋風の改革をして行く時代の中で、近代化して進んだ西洋に対して「世を治め」、「民を救う」方法として豊かになることが必要だから、発展してきた学問なのです。

では実際大学で習う経済学ってどんなものなのか。大学の基礎で習う経済学は色々な条件が付いています。例えば、「ある人は他の人や企業の考えていることをなんでも知っている」ことや、「人間はいつでも正しい判断をし続ける」こと、「どの人も違いがない」など、とても現実にはあり得そうもありません。もちろん、発展した経済学の中にはこうした条件をなるべく取り払って色々なことを説明しようとするものもありますが、それでも現実に起こっていること通りとはなりません。

もしかしたらここまで読んで「なんだ、理想ばっか高くて経済学なんて役に立ちそうもないや」とがっかりした人もいるかもしれません。確かに、今の経済学では全部を説明することはできませんし、豊かな人がいる一方で貧しさに苦しむ人もいます。また、経済学が少し発展したところで、スマホやペッパー君のような便利な道具ができるようになるわけでもありません。
ですが、経済学の考え方や物の見方は間違いなく今の日本の社会や政治・経済のあり方の元になっていて、欠かせないことばかりです。
例えば…とまだまだお話ししたいことはあるのですが、終わらなくなってしまうので(笑)、続きはまた今度ということにしましょう。