秋を迎える受験生へ


部活の偉大なる先輩、NEXTEP最怖教師・関口礼都先生の次で恐縮です。僕は受験生の生徒さんが多いので、受験生の人に書きたいと思います。

これから秋になるにつれて、過去問を含め、問題を解くことが多くなってくる。これからの時期の要点は「大局観を持って平常心である」こと。
大局観をもつということは、自分の受験までのプラン・プロセスを見通しておくということ、科目や分野ごとの習熟度を把握していること、その上でどれにどの程度時間をかけるかを決定すること、実際に演習するときにはどの問にどのくらい時間がかかるか把握しどの問題から解くと自分の得点を最大化できるかを考えること。自分の目的達成のための行動には必須の視点になる。

しかしこのようなことをする際には「焦り・悲観」あるいは「慢心・楽観」がつきものだ。これは学習遂行という機械作業に大きく影響し、効率を悪くする。
「慢心・楽観」が最悪で、集中力・注意力が散漫になってだけでなく、自分の立っている土台に対する過大評価は、本番受験時の事故誘発要因ナンバーワンだ。もしいまこれを読んでいる人で「模試・成績が良いから大丈夫」「アレは覚えたからorコレは解けるから大丈夫」という部分が多い人は、この場合に該当する可能性が高い。「きかんしゃトーマス」のエンディング・テーマ曲「じこはおこるさ」を聞いて、自分の中に冷静な視点を取り戻そう。
「焦り・悲観」は多くの受験生が抱くことになるが、これも禁物。これらは結局自分のやるべきことが何かが見えていない、もしくは自分のやるべきこと・そのペースの先に目標到達のビジョンが見えないことに起因する。だとすれば自分の中の不安を呼び起こしている原因を自問して、それが具体的になるまで落ち着いて考え、もう一度目標を再認識した上で計画を修正していくことが解決法になるだろう。例えば、以下の通りだ。

「不安だ。なぜか」
→「成績が思ったほど伸びないから。なぜか」
→「国語が足を引っ張っている。なぜか」
→「古文で言っていることが理解できない。なぜか」
→「助動詞があやふやで訳があやふやな上に、古文の常識がないからわからない」

この段階まで落とし込めれば自分が何をすべきかが見えてくるはずだ。ここで注意したいのは「出来ない・覚えられていない」事項について、過度に自分を責めないようにすること。その自責の念はせっかく解決法までたどり着いた自分の気持を、もう一度「焦り・悲観」フェーズに引き戻すことになる。不安を起こす要因を消す計画は今までのプランの修正であって、どんな優秀な人にも必要で、悪いことではない。もちろん不安→修正を頻発してしまっては伸びるものも伸びなくなる(プランは結果が出るのに一定時間の経過が必要)ので、この修正をしたら是非担当講師に見てもらって、妥当さを担保してその計画を信じて勉強していこう。

知識習得・問題解答は作業に等しい。この過程を粛々行うべく、ここから数ヶ月の適切なプランを立て、精神衛生良く保って受験生活が送ることができ、合格をもぎ取れる受験生が多くなることを祈っています。