「覚える」ということ


こんにちは、学生講師の慶應義塾大学医学部2年松田昌大です。

今回、このプログへの初めての投稿になりました。プログって何を書けばいいかなかなか難しいものですね…..

 

僕の大学では、4月4日から新学期が始まりました。1年生と違ってキャンパスは病院のそばに移り、まわりには医学部生、医療関係者、患者さんと華やかな大学生活とは程遠い、いい意味で勉強しやすい環境になりました。授業内容も1年生の教養課程とは異なり、専門的なものばかりで何もかもが変わりました。

医学部の授業でわかったことは、覚える量が異常だということです。正直、大学受験の方が楽だったかもしれません。一回90分の授業で知らない単語が何十個も出てきて、それぞれどこにあるのか、どのような機能があるのか、損傷するとどうなるのかも覚えなくてはならず、これが1年続くと考えると脳がパンクしそうです。

 

みなさんも記憶するという点で苦悩している人も多いと思います。映画等で出てくる絶対記憶能力に憧れる人も多いと思いますが、そんなうまい話はありません。どうすれば、効率よく覚えられるのか、今までの経験をもとにお話したと思います。

はじめに、記憶の仕組みについて説明しましょう。記憶は感覚器官からの情報を保存する超短期記憶からすべてが始まります。超短期記憶では視覚で1秒、聴覚で4秒ほど保存され、情報の保持力は最強でほぼ100%記憶できます。この超短期記憶の情報のうち意識的に覚えなきゃと思うと短期記憶に移行し、記憶した情報が転送されて記憶できる期間が約30秒となります。しかしこの過程で情報の多くが転送できず捨てられてしまい、完全に覚えることができません。なので、短期記憶は繰り返し行う必要があります。そして、最後に短期記憶を繰り返し行うと、脳がその情報を重要なものと認知し長期記憶へと移行します。長期記憶まで行けばその情報はほぼ永久的に保存されます。ですので、勉強するときはいかに長期記憶に持っていくかどうかが鍵になります。

記憶が苦手な人はその場しのぎで勉強している人、覚えようと思って意識的に勉強してない人が多いと思います。ただ、単語帳を眺めているだけでは超短期記憶でとどまってしまいますし、単語テストの前に一度単語帳を読み、すぐに受けるだけになってしまえば短期記憶で止まってしまいます。こんなにもったいないことはありません。せっかく勉強したのに数分後には全てが無駄になってしまいます。では、長期記憶に移行するにはどうすればいいのか、コツはできないと自覚することと繰り返し勉強することです。まずは超短期記憶をしなければ始まらないので見たり、聞いたりします。もちろんこの時、覚えなきゃいけないと思っているので短期記憶までは自動的に移行します。ここまでは誰でもできます。つぎにやらなければいけないのはその場で一度チェックするということです。これがあるかどうかで大きく変わります。一度に英単語だと20個ぐらいがいいでしょう、10個だと短期記憶でどうにかなってしまう場合もあります。あとは、20個全部完全に覚えることです。一つでも間違えたら一からスタートさせるこれで20個目まで行けるようにしましょう。ただし、これだけではずっと覚えていることはできません。繰り返しチェックする必要があります。

このあとは期間を置いてチェックする必要があります。ここで知っておいたほうがいいのがエビングハウスの忘却曲線というものです。

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引用:http://ez-myself.jugem.jp

上図のオレンジ色の線が忘却曲線です。復習の重要さがよくわかるでしょう。忘却曲線の勾配は時間がたつほど緩やかになります。忘却曲線の勾配が急な時に復習すると効率が悪いです。緩やかになるタイミングで復習しましょう。タイミングとしては半日後、1日後、一週間後、1カ月後がいいでしょう。半日後は夜寝る前に一度やり、朝チェックするのがオススメです。

最後に、勉強では積み重ねが大事になります。英単語を2万個覚えろと言われると無理だと思う人も多いかもしれませんが、英語を習い始めてから6年間一日10個ずつ覚えていれば21900個覚えられます。2時間で一個覚えればいいだけです。これは誰でもできると思います。一回一回やったことを必ず定着させるということを大事にしてください。